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オオバヒルギ

オオバヒルギ

Bruguiera gymnorrhiza (Linn.) Lam.

失われたマングローブ-懐かしのオオバヒルギ


常緑の喬木で。樹皮は灰色から黒色をしています。葉は対になって生えて柄が長く、革質で長い楕円形をしており、その両端は尖っています。単花が腋生(付け根から生じる)し、萼片の筒は赤紫色で、釣鐘型をしており、8~12本の深い亀裂が走っています。花弁と花萼は同数に分かれ、先端は2つに裂け、その裂片の先端には長い毛が生えています。おしべは複数あり、子房は下の位置にあり、果実は円錐形です。8~9月に開花し、果実を胎生し、樹幹部分に垂直に支さえている支柱が多数あります。主に熱帯のアフリカ、東南アジア、オーストラリアに分布しています。



台湾のオオバヒルギに関する最も古い記録は、1896年のもので、ヘンリー(Henry)がプレイフェア(Playfair)と自分が高雄で採集した標本を引用しました。1932年に工藤祐舜は、この種の植物が高雄の三民、前鎮、旗津などの地区に生息していること描写しています。高雄湾は、かつて台湾で最高のマングローブの観察地点で、1958年に港湾拡張工事に際して一部の樹木を切り倒しましたが、それでもすべての種類が残っていました。当時、胡敬華は高雄湾でオオバヒルギの標本を採集し、1959年段階で現地に22株しか残っていないと記録しましたが、これがこの植物の台湾における最後の記録となってしまいました。これは、高雄第二港の拡張工事の結果と考えられます。現在、台湾地区にはすでに野生のオオバヒルギがすでに存在せず、今日では標本を通じてのみオオバヒルギの様子を知ることができます。レッテルが貼られていることから、この標本が展示用であることはわかります。採集された日時などの記載がなく、採集された年代を特定することはできませんが、台湾の祖国復帰直後に製作された植物学展示品だと推測されます。