L 100cm × W 60cm , 17世紀
鄭成功の画像は数多くのヴァージョンが伝わっていますが、本館が収蔵する「鄭成功画像」は、紙本体に膠と彩色が施されたもので、画心の長さ100cm、幅60cmです。考証によれば、據鄭成功が台南にいたとき、命じて描かせた作品の可能性があり、数多ある鄭成功の肖像の中でも、年代の最も古いものです。日本統治時代、佐久間総督の意向を受けて、本画は1911年の夏に国宝の扱いを受けて鄭氏の一族から台湾神社に献納されました。日本統治時代の末期、本画は台湾神社から台湾総督府博物館に移されました。本画を日本人・那須雅城が摹本したものは、現在台南の延平郡王祠に収蔵されています。
本画には、鄭成功の正面坐像が描かれています。画中の鄭成功はひげを蓄え、珠帽を被り。緑色の盤領袍を身にまとっています。胸の前には動物の文様の装飾をつけ、腰には玉帯を結び、動物(トラかヒョウ)の毛皮を敷いた椅子の上に座っています。表現形式から言えば、本画像は中国民間の祖先の画像と似ていますが、冠帽服飾の形状は明代の帝王像に近いものがあります。顔の部分には帝王‧皇后の画像のようなこだわりが見られ、「神似」の高貴さを志向し、「形似」を追求していません。また面相学の影響を多く受けており、理想とされる人物像の概念に則って描かれています。