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タイワントラノオゴケ

タイワントラノオゴケ

Taiwanobryum speciosum Nog.
植物体は大型で灰緑色をしており、基部は灰色っぽい茶色でわずかの光沢があります。主茎は匍匐状で小さな葉が伸びています。支茎は直立すると長さ約10cmで、不規則に枝分かれし、そこから葉が密生しています。葉は乾燥時には縮まり、潤えば長く伸びて楕円形になりますが、上部は細く尖った形で、長細く皺が走っています。葉の下半部は平らで滑かで、かすかに巻いており、中間部は波型で、上半部は平らで目の粗いギザギザがつています。葉の中肋は細長く、葉の約3/4を占めており、鋭い葉先は消えています。葉の細胞は長い菱形か長い六辺形が不規則に並んでおり、透明で小さな突起はなく、肉厚で孔があり、平らで滑かで、側壁は波状に曲がっています。尖端の細胞はやや幅広で、基部に向かうほど細胞は長く幅広になります。縁と角の細胞はやや小さく、翼細胞に欠けています。孢子体の朔柄は細長く約 1.5cmほどで、淡い黄色をしており、粗い造りです。孢蒴は直立した長い卵形で、黄色がかっており、平らで滑かで、乾燥時は縮まっています。朔歯は単層で、外歯層は矛先の形に並び、形状は細長く、イボ状の突起が密集しています。孢子には、イボ状の突起があります。

タイワントラノオゴケの命名時、はじめて台湾で採集されたことから、その属名Taiwanobryumはtaiwanを字首とし、bryumを字尾にして組み合わせたました。これは、台湾地区の主な植物に付けられます。日本地区など北方の温帯では、普通は岩石群で採集されますが、タイワントラノオゴケは亜熱帯で生息する植物の一般的な特性を備えています。

編成番号Accession No. B000426この標本は王忠魁教授が1960年2月15日,台中県和平郷の鞍馬山の海拔約2000mの地点で採集したものです。