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カサノリ

カサノリ

Acetabularia major G. Martens

石に生えた毛髪


石に毛髪が生えることなどあるでしょうか。これは海産の緑藻、カサノリの残骸です。カサノリは長い柄を持っており、その先端は一層から多層の円形の傘によって構成されています。台湾では主に恒春半島で見られ、通常は中程度の波に洗われる礁岩の陰に群生し、植株が枯れた後、傘の部分が脱落して石灰質の長い柄だけが岩石上に残ります。その様子が石に白髪が生えたように見えることかえら、奇妙な造形として知られるようになりました。

カサノリは鮮かな緑色の傘状をしており、約1~7㎝の高さで、傘部は60~85の配子嚢が放射状に互いに連結し合って形成され、重度に石灰化しています。植株が死に、傘部が脱落した後、石灰質の長い柄が岩石に固着し、これが石に白髪が生えているように見えるのです。藻の柄の部分は長い円柱状で、下部は不規則に枝分かれした固著器があります。多年生で、藻が若い時は単核で、成熟した後は多核に分裂し、葉緑体は小さく、楕円形もしくは円盤状をしています。.

カサノリは通常、浅い水域や中程度の浪に打たれる礁岩の陰に群生しており、1~5月に成長しますが、その数は希少です。カサノリは主に、熱帯性の海域に分布し、台湾、日本、フィリピン、シンガポール、インドネシアなどで見られます。