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歴史とエスニック

人類が台湾というこの島嶼で暮らした歴史は数万年にすぎませんが、豊かで多様なエスニックの現象と文化の伝統を創造しました。台湾博物館の人類学部門の収蔵と研究は、台湾島で発生した「人類の物語」を反映しています。

多くの古い文明国に比べ、台湾島における人類の歴史は長くはないものの、かなり頻繁なエスニック間の相互関係と文化の接触がありました。人類学部門には、現在4万点以上のコレクションがあり、そのなかには複雑な先住民の歴史を記録したものが少なくありません。台湾で最も古い人類「左鎮人」の化石や、台湾北部の新石器時代における農業伝統の代表的な文化の一つ「円山文化」の遺物などは、台湾の史前時期の重要なコレクションです。

台湾の先住民族は台湾の豊富な文化の特色を語る上で最も代表的で、当館でも最も貴重なコレクションの特色でもあります。7000点以上のコレクションは、20世紀の台湾原住民の文化財を含み、台湾で最初に整った原住民文化財のコレクションであるととともに、更に具体的に台湾原住民の豊かなで多様な伝統文化を反映したものとなっています。

歴史時代に入った台湾は、各エスニック間の交流が依然頻繁に行われ、17世紀からオランダ人、スペイン人、漢民族が前後して台湾に訪れ、彼らが残した歴史の足跡は本館のコレクションを通じて見ることができます。代表的なコレクションは、鄭成功の生前に描かれた「鄭成功絵像」、18世紀初頭の清朝統治時代の台湾の様子を描き出した掛け軸「康熙台湾輿図」、19世紀末の台湾住民の抗日運動のシンボルとなった「台湾民主国旗・藍地黄虎旗」などがあります。

1945年後、コレクションの範囲は華南と台湾地区の漢人の民俗器物などに拡大しました。1950年代以降、それに北米のネイティブ・アメリカンの器物、中部の平埔族「岸裡社」の古文書などが加わったほか、さらに日本統治時代の東南アジアや大洋洲の民族学の器物も加わり、今日の台湾博物館人類学部門の多様で複雑なコレクションが構成されました。これも台湾という土地における人類の活動のプロセスを代表しています。


地史と鉱物

1968年に基隆外海で「五億年の活きた化石」と呼ばれる龍宮翁戎螺(リュウグウオキナエビス)が発見されたことで、台湾では貝類の研究がブームとなりました。1970年に劉衍元館長の提案を受け、台湾博物館に中華民国貝類学会が設立され、当時の台湾貝類学の研究拠点として国際貝類学界の重視と評価を集めました。

また、1971年に台南左鎮の菜寮渓で化石の破片が発見されたことを受け、本館は古代生物調査隊を派遣し、菜寮渓の河辺から数多くのサイの骨の化石を発掘しました。鑑定の結果、この化石は中国サイ早坂氏亜種(早坂サイ)であることがわかりました。この発見は、台湾地区の自然史研究において古生物学の貴重な証拠を提供したことになります。

地学部門のコレクションは、主に魚類、貝類、化石類及び鉱石類などの四種類に分かれます。魚類と貝類の標本の量はかなり多く、特に台湾地区で出土した魚類と貝類の標本に特色があり、学術上重要なものです。主な化石類の標本は澎湖海溝で獲れた大型哺乳類の化石と台南県左鎮郷菜寮渓で発掘された化石が中心です、これらの標本は、第四紀から月日を経るなかで、台湾の環境が劇的に変遷した証拠です。鉱石類のコレクションでは、世界でも珍しい北投石と澎湖文石などの標本があります。