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ベニヒノキ

ベニヒノキ

Chamaecyparis formosensis Matsum.

時代の年輪を記録-阿里山ベニヒノキの年輪


ベニヒノキは常緑の喬木で、山地の海拔1700~3000mの場所で成長する台湾特有種の樹種で、東アジア最大の樹種でもあります。台湾の山林で見られる巨大な神木は、その多くがベニヒノキです。ヒノキ類は日本、台湾、および北アメリカにだけで見られ、第三紀から残る生きた化石です。台湾で見られるヒノキ霧林は世界でも珍しく、世界トップクラスの自然遺産といえましょう。ベニヒノキの木材は淡い赤みがかった色で、木質はきめ細かで、樹皮が薄いことから、薄皮とも呼ばれます。混生するタイワンヒノキは厚殼と呼ばれ、二種類の台湾特有のヒノキ属の植物はいずれも香り高く、虫食いのない最高の木材とされます。経済的な価値の極めて高い、貴重な針葉樹の一級木です。



本館が収蔵するベニヒノキの年輪標本は、日本統治時代から伝わるものです。直径約200㎝で、年輪で換算すると樹齢約800年に達します。本館に伝わる昔ながらの重要な常設展示物の一つです。これら木材の展示標本はかつての重要なテーマでもあり、台湾で生産される樹種のなかで、ベニヒノキ、タイワンヒノキ、タイワンスギ、香杉、肖楠木、オガタマノキ、ケガキなどは、いずれも代表的な樹種に数えられます。