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重傘霊芝

重傘霊芝

Ganoderma multipileum Hou

重傘霊芝は台湾、インド、フィリピンなどアジアの熱帯と亜熱帯地区に分布しています。台湾における生息地域は低海拔地区に限定されており、相思樹など広葉樹の樹幹部分です。地表に近いところで育ち、菌傘の裏側は赤褐色で、漆のような光沢があります。形態の似たものとしては、中国大陸温帯地区に分布する赤芝(G.lucidum)が挙げられますが、育つ気候条件が異なることが分類での重要な根拠となっています。



本館が収蔵する重傘霊芝は、1949年に于宇飛氏が台中公園の付近で採集したもので、1950年に侯定氏の研究を経て、新種であるとの見解が示され、台湾博物館季刊の「A new species of Ganoderma from Taiwan 台湾産霊芝の新種」という一文を通じて新種として発表されました。この「重傘霊芝」の標本は、本館の展示場で長期間展示され、教育と普及のために活用されてきました。2007年、学者の呉声華、王冬梅の両氏が本館所蔵の重傘霊芝の標本を再度検査した後、重傘霊芝(Ganoderma multipileum)の台湾産の新種としての地位が確認されました。本館のこの標本は、新種発表時に指定を受けた「モデル標本」です。